第2回大好きHOKKAIDO!観光プラン大賞 入選作品

入選プラン

旅のテーマ レインボーサマー!〜旬を求めて
応募者名(住所) 宮口 和美 さん(神奈川県)
概要 今この時期、この場所でなければ手に入らない農産物や植物をレインボーカラーに喩えた旅。7色の食材の収穫体験や7色の草花の名所めぐり、そして地産地消の農家レストランでの食事を楽しむ。
旅のテーマ 英語解説者と行くSBWルートと北海道遺産、国立公園の旅
応募者名(住所) 佐藤 吉人 さん (鶴居村)
旅のテーマ 冬でも元気な富良野・美瑛人になる
応募者名(住所) 新倉 敏之 さん (神奈川県)
旅のテーマ 「松前三湊」(松前・江差・函館)に幕末維新の歴史を訪ねる旅
応募者名(住所) 佐藤 快和 さん (東京都)
旅のテーマ 自然の豊かさ、水の豊かさを感じながら、道東開拓の歴史をたどる旅
応募者名(住所) 三橋 剛 さん (札幌市)
旅のテーマ 札幌都心の北海道遺産と北海道開拓の足跡をたどる
応募者名(住所) 堤 朱美 さん (江別市)
旅のテーマ のんびりと秋の釧路湿原&川湯温泉を満喫する旅
〜家族旅行編〜
応募者名(住所) 芳賀 勲 さん (東京都)
旅のテーマ 大地の恵み…循環型農業を知る
応募者名(住所) 堅谷 淳 さん (北広島市)   
旅のテーマ 北海道の義経・弁慶伝説を巡る〜後志編〜
応募者名(住所) 佐藤 崇 さん (小樽市)
旅のテーマ もう一度ロマンチック〜おしゃれな大人のアートな旅
応募者名(住所) 宇野 稔弘 さん (札幌市)
旅のテーマ アイヌの神の息吹を感じる「御神渡り」ツアー
応募者名(住所) 佐藤 繁明 さん (北見市)

*入選作の商品化を検討される旅行代理店などの皆様へ

入選作の著作権は「大好きHOKKAIDO!観光プラン大賞実行委員会」に帰属します。商品化を検討される場合、事前に必ず実行委員会事務局(北海道遺産構想推進協議会内)へお問合せください。

応募総数

審査委員会日時

審査委員会(敬称略)

審査委員長 石森 秀三 (北海道大学観光学高等研究センター長・教授)
審査委員 岩泉 匡洋 (株式会社リクルート北海道じゃらん代表取締役社長)
宮武 清志 (社団法人北海道オートリゾートネットワーク協会事務局長)
矢野 直美 (フォトライター)
貫田 桂一 (地域ブランドアドバイザー)
佐々木幹人(社団法人日本旅行業協会北海道支部事務局長)

審査委員長 総評

2008年10月には観光庁が設置されます。観光が国家的な課題になっているわけですが、その一方で、「観光立国時代における観光の衰退」も危惧されています。北海道もここ数年、海外客の増加が目立つ一方で、国内客、特に団体客の減少が顕著になっています。

そうした北海道の現状において、北海道の財産ともいうべき52件の北海道遺産や、北海道の価値ある景観をテーマとするシーニックバイウェイ北海道の取り組みは、北海道のイニシアチブとしてとらえることができ、その二つを軸にした観光プランは、今後の北海道の観光にとって大きな示唆になりえるものと考えています。

2回目となった「大好きHOKKAIDO! 観光プラン大賞」ですが、1回目以上に力作が集まったように思います。北海道遺産やシーニックバイウェイについて、きちんと学んでからプランを作ったのだろうと思われる作品も多く、上位作品の選考には苦労しました。グランプリと準グランプリの3作品のうち、2本は道外の方からの応募作品でした。体験や地域の方々との交流、豊かな北海道の食などをプランの中に織り込んだ作品が多かったのも昨年とは違う特徴でした。多くの方が北海道観光について、「ホスピタリティ」を重視、あるいは課題として見ていることの証左といえるかもしれません。

今年は「北海道洞爺湖サミット」が開催されます。昨年、国の観光立国会議においてサミットを契機に北海道を日本の「モデル観光圏」と位置づけることが提言され、世界に向けて北海道を売り出す絶好のチャンスでもあります。北海道の経済環境はいまだに厳しい状況が続いていますが、地域資源を活かした観光の振興が、閉塞感からの突破口になる可能性は大きいと実感しています。本プラン大賞の入賞作品の商品化も、地域にとっては大きなヒント、きっかけになると思います。ぜひ、プランから具体的な商品へとステップアップし、この事業をそれぞれの地域や立場で活用していただけることを願っております。

審査委員の声

昨年の第1回目は、北海道の全体を周ってもらうプランが多かったのですが、今回はエリアを明確にして、その地域に長く滞留してもらう工夫をしたプランが多く寄せられました。第3回以降がさらに楽しみです。また、北海道観光にとってリピーター対策が喫緊の課題ですが、その一つのテーマが「歩く」ことだと思います。すでに一度行ったところでも、バスや車ではなく、歩いてのアプローチや自転車の活用などで、新しい感動体験を提供できるのではないでしょうか。そうすることで、より北海道の食が生きてくるとも考えています。こうしたことも含めて来年は、さらに「売れる」プランが提案されることを期待しています。

今、北海道はインバウンドが増加しています。しかし一方で、そのために「おもてなしの心」やサービスマナーがものすごく低下していると感じています。数十年前の、黙っていても団体客が入っていた時代に逆戻りし、お客様への感謝をないがしろにしている施設が多く目撃されています。間もなくサミットが開催され、今こそ世界に目を向けた北海道観光の基礎を構築すべきときなのに、現状のままでは「人」の準備ができていないと言わざるを得ないのではないでしょうか。今回の多くの応募作には「北海道人との交流」がコースの中に入っています。もう一度「ホスピタリティ」について真剣に考えたいものです。

現在国では、国内の旅行需要の拡大に向けて、体験や交流型のニーズの高まりを踏まえた「ニューツーリズム」の創出を展開しようとしています。これは「グリーンツーリズム」「エコツーリズム」「産業観光」「ヘルスツーリズム」「文化観光」「ロングスティ」など、地域の歴史や文化、産業などをより深く学びながら楽しもうとするものです。その中で北海道の持つポテンシャルは明らかです。「大好きHOKKAIDO! 観光プラン」に寄せられ、そして入選したプランは十分に全国に売れる競争力を持っているように思います。これをエージェントがうまくアレンジして積極的に活用しほしいと思います。

「北海道って何てすばらしい!」―そんな声が入賞作品から聞こえてくる気がします。応募作全般に言えることですが、北海道が持っている様々な資源に光をあて、掘り起こし、それぞれの腕で新たに生命を与える料理のようで、地に足のついた姿勢を感じることができます。旅行スタイルは個人旅行へと大きく変化しています。旅行のニーズも百人百様で、個別の旅行者ニーズに合わせるというよりも、北海道における旅行を企画する側が、自分たちが北海道の様々な資源を使って、丹精こめて育てあげた料理(ツアー)を、誇りを持って旅行者に提供していく姿勢が大切ではないかと思います。それが本来の観光ではないでしょうか。

私が心をひかれたのは農作業や漁参加といった体験型のプランです。食と風景は北海道の魅力を感じられる大きなポイントで、その二つを満喫できるのが体験型の旅ではないでしょうか。四季の風景のなかで、土や緑のにおいのする空気に包まれながら、潮風に吹かれながら、ときにマイナス気温も体感しながら、北海道の産業に触れてみる。きっと記憶に残る旅になると思います。そして、もっと大胆なプランも見てみたい気がしました。実現は大変かもしれないけれど、北海道でこんなことをしてみたい、こんなことができたら最高。そんな自由な発想から、新しい北海道の観光プランがどんどん生まれていったらステキだと思います。

−お問合せ先− 大好きHOKKAIDO!観光プラン大賞実行委員会 〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西5丁目北一条ビル5階 北海道遺産構想推進協議会事務局内 TEL/011-218-2858 FAX/011-232-4918

第1回大好きHOKKAIDO!観光プラン大賞 入選作品

応募総数

審査委員長 総評

従来の北海道観光は旅行会社が主導してきましたが、今は旅行者自らが企画し、自分の楽しみを見つけるようになってきています。それは「他律的観光から自律的観光」への変化といえます。北海道は、日本のなかで最も潜在的かつ多様な観光資源に恵まれています。それらを今後生かしていくことで、私は北海道が「感幸」の大地になっていくと確信しています。

そうしたなかで今回、多くの応募者から地域資源を活用し、新しい発想・着想の元でルートや観光資源、楽しみを出していただきました。様々な形で観光に関わっている審査員にとっても新鮮なプランでした。また、自分のまちの自慢を見ていただきたいという熱意が伝わるプランが多く、選考には苦労しました。甲乙つけがたいなかで厳正な審査の結果、10本を入選といたしました。惜しくも選に漏れたなかにも、きらりと光るものが多数あり、北海道の観光の未来を感じさせるものとなりました。

北海道と沖縄は従来、国が別格の力を入れてきた場所ですが、今は急激に自助努力が求められています。それは、「北海道イニシアチブ」が求められているともいえます。シーニックバイウェイ北海道や北海道遺産という独自の活動はまさにイニシアチブ(独自性)といえますが、まだまだ各地が観光にそれらを活かしきっているという段階ではありません。そういう意味において、今回のプラン大賞はタイムリーだったと感じます。

ただ、全体的には「食」の視点が足りなかったと感じました。食べる楽しみをあきらめて、ただひたすら車で走るという応募作も少なくありませんでした。北海道の魅力の一つである食を観光とつなげていくことは大切です。宿もせっかく日本一の温泉の大地なのですから、ゆとりのあるプラン、くつろぎの時間という視点での作品が多く出てくることを今後に期待します。

入賞作品(応募者名敬称略)

旅のテーマ 北海道遺産「サケの文化」〜代表地標津・秋鮭物語ツアー
「見る・触れる・食す」
応募者名(住所) 千葉 元:標津町エコ・ツーリズム交流推進協議会会長(標津町)
概要 北海道の食の代表格「鮭」にこだわり、鮭に関する歴史を学ぶとともに、水産業に触れ、体験し、食す。・ 標津町は江戸末期に鮭場所として拓かれ、以来、鮭とともに歩み、鮭を中心にしたまちづくりが進められている・ 通常の旅行では繁忙期の漁港に入ることは難しいが、標津町では食の安心・安全を進めるHACCP(ハサップ)に取組んでいることから、消費者として積極的に受け入れている。そのため、鮭の荷揚げなど、ガイドの同行により迫力ある現場の見学が可能。・ 標津町は日本屈指の鮭産地であり、サーモン科学館など学習施設も整備されている。
おすすめの季節
日程 2泊3日
ルート

【1日目】中標津空港着⇒中標津町の開陽台から北海道遺産「根釧台地の格子状防風林」を見学⇒標津サーモンパーク(鮭の歴史を学ぶとともに、鮭のダイナミックな遡上風景を見学)⇒鮭チャンチャン焼きづくりを体験⇒宿泊

【2日目】秋鮭荷揚げ見学(ガイドの説明により一層の理解が可能)⇒鮭の加工場(標津漁協協同組合で朝捕獲された鮭加工の様子を見学。普段何気なく食べている鮭がどのように加工・生産されているのを見て、知ることで食に対する理解を深める)⇒新巻鮭またはイクラづくり体験(民間加工場。作ったものは持ち帰ることができる)⇒昼食(醤油イクラまたは塩イクラの丼を選択)⇒野付半島ネイチャーセンターと原生花園散策(北海道遺産「野付半島」で豊かな自然を体感)⇒秘湯川北温泉(無人露天風呂)を体験⇒宿泊

【3日目】忠類川でサーモンフィッシング(河川では国内最大の魚種・鮭は豪快な引きが魅力⇒ポー川史跡自然公園(数百の竪穴式住居跡や開拓時代の復元施設など)⇒昼食(サーモンハウス)⇒中標津空港発

審査員講評

グランプリには北海道遺産にもなっている「サケの文化」をテーマにした作品が選ばれました。サケにとっても「見る・触れる・食す」という多様な楽しみ方をしてもらえるのは本望なのではないでしょうか。観光プランとしてのバランスもよく、審査委員全員から高い評価を得ました。地元の漁業者など関係者ともふれあえることでホスピタリティも高い作品でした。サケをテーマにしたツアーは、すでに標津町では実績もありますが、エコツアーの原点に立ち戻って、サケという資源をうまく使ったものとして評価されるとともに、実現性の高い内容です。(宮武清志)

グランプリの作品には、生産地と食卓を結ぶ食育ツアーのきっかけになってほしいと感じました。(貫田桂一)

日本人の食生活に欠かせない存在のサケ。そのサケをさまざまなかたちから見たり触れたりする旅、とても楽しそうです。そして日常でよくいただくサケを通じて、私たちはいろいろな「命をいただいて生きている」。そのことも感じられる旅になればとてもステキだと思います。(矢野直美)