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平取町アイヌ文化体験記 平取町アイヌ文化体験記

アイヌ伝統文化伝承とイオルを学ぶ旅

旧マンロー邸の見学

1 豊かな自然に囲まれた旧マンロー邸
2 邸宅まで並木道が続く 3 窓にツタがはっている

博物館の敷地を出て少し西に行ったところに、旧マンロー邸がある。かつて英国人考古学・人類学者のニール・ゴードン・マンロー博士が住んでいた邸宅だ。 マンロー博士は、アイヌの生活風俗研究のために、昭和5年二風谷に移住し、そのかたわら医者として地域のアイヌの人たちを診療し、慕われていた。二風谷を選んだのは、故郷のスコットランドに景色が似ていたからだといわれている。

マンロー邸は昭和8年に建てられ、住宅兼診療所として使用された。博士は昭和17年に永眠。その後、建物は記念館として保存され、現在は北海道大学へ寄贈されている。普段は一般公開されていないため、今回は貴重な機会だ。

敷地の入り口から建物まで並木道が続いており西洋の趣を感じる。建物は開拓期の建築様式。内部はマンロー博士が使用していた部屋が再現されており、こじんまりとはしているが重厚な机の前に籐の椅子が置かれている。壁には博士と夫人の写真が。窓から見える広い庭には色とりどりの落ち葉が落ちている。かつてここに、なしやぶどうを植樹していたそうだ。


 今回の「アイヌ伝統文化伝承とイオルを学ぶ旅」では、博物館敷地内、二風谷ダムを挟んだ森林、マンロー邸を見学した。それぞれがアイヌ文化をキーワードとして繋がっており、受けつがれ、現在へと続いている。

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